活動内容

コネクテッド・カー専門委員会

コネクテッド・カー専門委員会とは

クルマ(四輪の自動車だけではなく、二輪車なども含め広義の意味で「クルマ」と表記する)がネットワークにつながる時代が到来しました。本専門委員会では、クルマ同士あるいはクルマとネットワークインフラや他のネットワークアプリケーションとつながることによる課題を中心に検討します。

<本活動の背景>

  • 日本では、ETCやITSスポットなど全国規模でのITSサービスを実現しているが、これらのシステムの国際展開は道路環境の違いや無線方式の差異などにより実現していない。
  • 2011年3月11日の東日本大震災等の災害経験から、自動車を災害時の情報通信のハブとすることへの期待は大きい。そこで、2014年8月にTTCより日本での取り組みをベースにアジア標準を策定することをASTAPへ提案し、検討がスタート。
  • 日本でのリコールの約30%はソフトウェアが原因と言われており、遠隔での自動車の保守が必要となっている。そのためには、遠隔での自動車の診断、保守に必要な通信標準の策定が急務。
  • 自動走行については、内閣府が主導するSIP(戦略イノベーション創造プログラム)を中心に各種プロジェクト、委員会が発足。自動走行に関する通信規格やダイナミックマップなどのデータ構造の標準化検討が課題。
  • UNECE WP29 での検討に対応するため、JASICに通信・セキュリティTFが設置され、日本としての対応が検討。

本専門委員会では、自動車関連の通信技術、次世代モビリティネットワークサービス、及びクルマを使った災害時の対応等に関し、ITU*1(ITU-T*2 SG16, CITS*3)/ASTAP*4等を中心とする国際標準化や国際協調に向けたワークアイテムの検討等を行います。
 *1  ITU: 国際電気通信連合 (International Telecommunication Union)
 *2  ITU-T: 国際電気通信連合電気通信標準化部門 (ITU Telecommunication Standardization Sector)
 *3  CITS: Collaboration on ITS Communication Standards ITU-Tに設置されたグループ
   https://www.itu.int/en/ITU-T/extcoop/cits/Pages/default.aspx
 *4  ASTAP: アジア・太平洋電気通信標準化機関 (APT Standardization Program)  https://www.apt.int/APTASTAP
    APT: アジア・太平洋電気通信共同体 (Asia-Pacific Telecommunity)

標準化事例

1 V-HUB

東日本大震災の際に情報通信手段の確保が困難となった経験から「災害時の自動車を用いた情報通信システム(略称:V-HUB)」の標準化活動を、自然災害リスクを共有するアジア各国と共に、ASTAPの場で取り組みました。

- "APT Report on Disaster Information Sharing System in APT Countries" [APT/ASTAP/REPT-18] 09/2015
- "APT Report on Requirements of Information and Communication System Using Vehicle during Disaster"
   [APT/ASTAP/REPT-21] 09/2015

     icon-vhub_2.png   
- Report on

  "International Collaborative Research of
Disaster Response Model using Vehicle Communication" 03/2018

関係者の努力が実り、本提案は2018年10月に2番目のAPT勧告として成立しました。
- "APT Recommendation on Standard Specification Information and Communication System using Vehicle during Disaster" 
  
[APT/ASTAP-REC-02]    https://www.apt.int/APTASTAP-OUTCOMES

2 APT Report on traffic accident record and its analysis method’s guideline in ASIA

交通事故を減らすためには、その事故状況を記録・分析した上で、対策をたてることが重要です。ASTAPの場を通じて各国の状況を調査し、交通事故状況をどのように記録・分析すれば容易のかをガイドライン化し、それはASTAP-33(アジア太平洋電気通信標準化機関第33回会合、2021年6月)でレポートとして承認されました。
 APT/ASTAP/REPT-48 "APT Report on traffic accident record and its analysis method’s guideline in ASIA"

3 ITU-T Technical Paper: FSTP.SS-OTA

「自動車の遠隔更新技術」に関する世界の標準化団体の動向を調査した結果をまとめたTTC技術レポート TR-1068 v2を基に、これを英文化した文書がITU-T SG16で承認され、FFTP.SS-OTA "Technical paper: Standardization survey for over-the air updating in vehivle" として発行(2021年6月)されました。 

参加するメリット

<ビジネス化>

  • 「災害時の自動車を用いた情報通信システム(V-HUB)」の日本国内での実装・普及に向けた取組を推進します。
  • 更にAPT*1参加各国への紹介、普及に向けた取組を推進します。
    *1  Asia-Pacific Telecommunity      https:/www.apt.int/

<プロモーション>

  • CITS​​​​​​​、APT、ASTAP等 国際的な活動の場で、寄書提出や事例発表の機会を得ることが期待できます。

<情報収集>

  • ITU-T SG16、SG17、SG20等の活動状況把握

  • 自動車関連団体等(JSAE、JASPAR、5GMF等)と情報・意見交換

標準化・活動方針

<アップストリーム活動>

  • CITSへの自動車通信分野の標準化課題の提言等

<TTCドキュメント制定>

  • ASTAP「災害時の自動車活用した情報通信システム(V-HUB)」の国内技術レポート、利活用ガイドライン策定

  • 自動車関連団体(JSAE、JASPAR等)と共同で課題共有、X.1373rev改訂支援

→ 中期標準化戦略へ

関連するSDGsゴール

標準類制定状況

番号 版数 タイトル 制定日
TR-1097 1 災害時の車両を用いた情報通信システム(V-HUB)利活用ガイドライン 車両活用防災システム 概要編 2022/5/19
TR-1098 1 災害時の車両を用いた情報通信システム(V-HUB)利活用ガイドライン 車両活用防災システム 運用編 2022/5/19
FSTP.SS-OTA 1 ITU-T Technical paper: Standardization survey for over-the-air updating in vehicle (Q27/SG16)
 < https://www.itu.int/pub/T-TUT-ITS-2021-OTA >
 
TR-1090 1 災害時の車両を用いた情報通信システム(V-HUB)仕様
APT/ASTAP/REC-02 "SPECIFICATION OF INFORMATION AND COMMUNICATION SYSTEM USING VEHICLE DURING DISASTER" の
日本語版
2021/4/22
TR-1089 1 災害時の車両を用いた情報通信システムの要求条件
APT/ASTAP/REPT-21 "REQUIREMENTS OF INFORMATION AND COMMUNICATION SYSTEM USING VEHICLE DURING DISASTER" の
日本語版
2021/4/22
TR-1068 2 自動車の遠隔更新技術の標準化動向と実用化課題 第2版 2019/10/30
1
災害時の自動車を用いた情報通信システムの要求条件
2016/5/9

セミナー等開催状況

開催日 タイトル
2023年4月19日(水) The 35th APT Standardization Program Forum (ASTAP-35) 
EG DRSRMミーティングで「災害時の自動車を用いた情報通信システム(V-HUB)の利活用に向けたガイドライン」概要を紹介
2023年3月17日(金)

ITU-T Collaboration on ITS Communication Standards 
「コネクテッド・カー専門委員会 活動報告」

2023年3月2日(木) 第4回自動運転に関する日中官民合同セミナー(オンライン)
「災害時の自動車を用いた情報通信システム(V-HUB)の紹介」

講師:千村保文氏 コネクテッド・カー専門委員会委員長(OKI)
2022年10月1日(土)~31日(月) CEATEC 2022 オンライン講演
「災害時の自動車を用いた情報通信システム(V-HUB)の利活用に向けたガイドラインの紹介」
講師:千村保文氏 コネクテッド・カー専門委員会委員長(OKI)
2022年6月30日(木) 16:30~19:30 (JST) ITU Workshop on "Voice Recognition Implementation in Vehicles"
2022年6月28日(火) TTC/CIAJ 共催セミナー
「災害時の自動車を用いた情報通信システムと防災訓練」

 これ以前のセミナー開催状況は、下記ページをご覧ください。
過去のセミナー開催履歴

開催状況

実施月日 活動事項
2023年5月17日(水) 15:00~ コネクテッド・カー専門委員会 第74回会合
2023年4月27日(木) 15:00~ コネクテッド・カー専門委員会 第73回会合
2023年3月16日(木) 15:00~ コネクテッド・カー専門委員会 第72回会合
2023年2月16日(木) 15:00~ コネクテッド・カー専門委員会 第71回会合
2023年1月19日(木) 15:00~ コネクテッド・カー専門委員会 第70回会合
2022年12月15日(木) 16:00~ コネクテッド・カー専門委員会 第69回会合
2022年11月17日(木) 15:00~ コネクテッド・カー専門委員会 第68回会合
2022年10月25日(火) 15:00~16:00 コネクテッド・カー専門委員会 第67回会合

これ以前の活動状況は、下記ページをご覧ください。
過去の活動状況 

関連する委員会

活動体制

     委員長:千村 保文 氏(沖電気工業株式会社)
    副委員長:鈴木 邦一 氏(株式会社デンソー)
担当企画戦略委員:三宅 滋 氏(株式会社日立製作所)
     [任期:2023年6月1日~2025年5月31日]

お問い合わせ

ご不明な点は事務局までお問い合わせ下さい。