新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。
TTCは、昨年10月に創立40周年という節目の年を迎えました。この40年のあいだにインターネットの普及、移動体通信の進化、IoTやAIの台頭など、情報通信技術は目覚ましい発展を遂げてきました。昨年度完了した公衆交換電話網のIPネットワークへの置き換え(PSTNマイグレーション)に関するTTC標準は多くの方々に参照いただきましたが、TTCはこれ以外にも情報基盤インフラに関する多様な標準化活動を通じて情報通信分野の発展に貢献してまいりました。一方で、昨今、様々な業界のサービスが情報通信ネットワークを介して提供されており、標準化活動もこれらの業界との連携が必要になっております。TTCとして、諸業界との連携を柔軟に進めてまいります。
TTCは、海外の関係標準化機関等との連携にも引き続き積極的に取組んでいます。昨年11月に韓国で開催された第19回日中韓IT標準化会合に参加し、AI・6G・量子技術等の新領域での連携強化の重要性で日中韓の標準化機関の意見が一致しました。また、日EU デジタルパートナーシップでは標準化に関する日EU間の協力を推進することとなっていますが、TTCは、EU 関連プロジェクトである INSTAR(International Standards for Advanced Technologies and Research)と昨年11月にMoUを締結したほか、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)との間で相互訪問を行い、日本-EU間のパートナーシップの優先事項や主要なデジタル分野を踏まえた協力可能性について議論を行うとともに、次世代の標準化人材育成に向けた情報交換・連携をしています。
昨年5月には台湾のTAICS(Taiwan Association of Information and Communication Standards)との間でMoUを再締結し、ワークショップの開催等を行いました。7月にはインドのTSDSI(Telecommunications Standards Development Society, India)主催のイベントであるTTDD(TSDSI Tech Deep Dive)に参加して講演するとともに、TSDSI幹部との間で意見交換を行いました。12月にはマレーシアのMTSFB(Malaysian Technical Standards Forum Bhd)と次世代標準化人材育成と今後の連携について意見交換を行いました。今年も海外の標準開発機関(SDO)との連携により開催するワークショップ等を通じて各国の標準化情報を共有し、会員の皆さまの活動に貢献してまいります。
日本の標準化活動においては、人材の固定化や減少への対応が課題となっています。昨年、内閣府知的財産戦略本部から「新たな国際標準戦略」が示され、これに基づく標準化活動者の支援、次世代の人材育成等のための取組みが行われております。私自身、標準化に関わってきた30年の中で、標準化人材育成が大きな政策テーマとなったのはこれで3回目となりますが、TTCとして標準化に関わる次世代の人材の裾野拡大に貢献してまいります。
具体的には、TTCとして、産学官の連携を深め、標準化人材に求められる役割・知識・スキルの整理・体系化を進めるとともに、企業や教育機関における実用を提案し、育成基盤の構築等を図ってまいります。また、昨年度から開始した、次世代標準化活動者を対象とする「情報通信技術標準化奨励賞」の表彰等を通じて、グローバルな標準化活動に携わる有望な人材の活躍を促進し、日本の国際競争力強化に貢献していきます。
これらに加えて、次世代の標準化人材が参加しやすい環境を提供することも重要です。AIを活用した会合運営、会合参加準備等の支援環境構築を推進してまいります。さらに、シニア標準化人材が活躍できる環境づくりを目指します。
このほか、TTCでは、毎年度末の標準化会議で中期の活動方針を示しておりましたが、TTCとしての標準化活動の目標をよりわかりやすく示すこと等を通じて、中小企業等の新たな会員の皆さまがTTCの活動に参加しやすくなるように努めてまいります。また、ITU-T尾上TSB局長の次会期(2027年~2030年)の再選の活動の支援を行ってまいります。
これまでの40年の歩みを礎に、TTCはこれからも情報通信技術の標準化に貢献し続けます。新たな時代に向けて、会員の皆様とともに歩んでいけることを心より願っております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
