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新年のご挨拶

  あけましておめでとうございます。

  昨年は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、対面での会合開催やハイブリッド形式でのセミナーが本格的に再開し、人々が集うイベント等が増えました。6月に実施した情報通信技術賞・功労賞表彰式では、4年ぶりに受賞者を囲む会を開催することができました。過去3年間の受賞者の方々にもお声がけし、直接お祝いができる機会となりました。また、10月、11月にQKDN関連のITU-Tのラポータ会合、12月には電波産業会(ARIB)との共催でoneM2MのTP会合等をTTC会議室で実施しました。今後、対面での会合が更に増えると思いますが、ハイブリッド会合に対しても環境を提供して参ります。

  日本の標準化活動の持続性を確保するうえで、標準化人材の育成は課題です。関連府省等においては標準化人材育成の課題解決に向けた検討も行われております。

   4月に標準化人材の育成・拡大や標準化教育及び標準化活動の質の向上に向けて組織横断で検討するため、キャパシティビルディングアドバイザリーグループ(CBAG)を設置しました。日本の産業の発展、国際競争力の確保等の観点から、標準化の活用及び運営に関わる人材の今後、TTCを含めた国内の標準化人材育成に関わる組織等で新たに必要な活動や強化すべき取り組み等について、TTC内外の標準化や標準化教育、情報通信分野の標準化に関係の深い事業に携わる有識者の方々から意見をいただき、日本全体での人材育成に取り組んでいます。

メタバースの新課題については、業際イノベーション本部のWP(ワーキングパーティ)として、メタバース推進検討連絡会を立ち上げ、日本国内の関連機関のメンバーと連携しながら活動を行っております。新規のテーマについては、TTC会員以外のメンバー、関連団体との連携も取りながら、役割分担を明確にして日本として一枚岩で対応して行く環境づくりに努めて参ります。

BSG(標準化格差解消)専門委員会では、10月に約4年ぶりとなる日本でのSHARE会合を開催しました。東南アジアの政府、学界のステークホルダとともに、九州工業大学を視察させて頂き、社会課題解決に向けた学術的な貢献に感銘を受けました。また、東南アジア地域の地方の若者や女性のICT技術者育成の取り組みとして、9月には株式会社aglink.labの協力を得て、タイのカセサート大学等との連携による女性IoT専門家や若手IoT人材の育成等を目的としたワークショップ、11月にはAPT支援の研修として、アジア太平洋地域の情報通信行政に携わる女性8名を招き、ICTを活用した地域課題解決とジェンダーギャップ解消をテーマとしたワークショップを開催しました。4月に開催された、ASTAPのBSGのエキスパートグループでは、標準化人材育成に関するワークショップが開催され、ASTAPでの標準化人材育成の取り組みを推進する提言が行われましたが、BSG専門委員会はAPTに標準化人材研修を提案し、採択された後、11月にオンラインで実施しました。オンラインでの個別の指導の難しさ、研修生の知識レベルの差等、改善する点は多かったですが、今後の研修にフィードバックし持続して実施して行きたいと思っております。

  12月にドバイで開催された尾上誠蔵TSB局長主催のITU-T CxOs会合では、日本企業及び関連団体よりIOWN  GFやマシンビジョン技術のITU-Tでの標準化の推進を提言し、その内容がCxOs会合の共同宣言に盛り込まれました。本年10月にはインドのニューデリーでITU-TのWTSA-24が開催されます。尾上誠蔵TSB局長体制での初めてのWTSAになります。日本提案の新技術の標準化も含めITU-Tの国内審議機関としてサポートして参ります。

  今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。本年の皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします。