NICT/TTC共催 IoTセミナー「BlockchainはIoTに何を与えるのか?~データの分散と共有がもたらす価値~」開催報告
これまでの中央集権型な金融システムを根底から覆す、Bitcoinに代表される非中央集権型の金融システムが注目を浴びています。この本質は、分散型台帳技術であるBlockchainを用いて、これまで常に中央にあるシステムを通じて行ってきた取引およびそのデータ保持をP2Pで構成される分散型のデータベースに置き換えるものです。
この分散型台帳技術の適用領域は、金融に限られるものではありません。IoTにおいても、関係者間でデータを共有し、かつ、その信頼性を担保する基盤技術として活用される可能性があります。分散型で信頼性を担保できるので、エコシステムの形態も大きく変わる可能性があります。
このような分散型台帳技術については、ISOやITUにおいて標準化の動きも活発化してきました。
本セミナーでは、アメリカからスピーカを招き、Blockchain技術が意味すること、IoT等金融分野以外への世界的な展開動向に関する講演を行うとともに、Blockchain技術の実装の一つであるEthereumを用いて、実際に各種環境センサデータをBlockchain技術によって流通させるデモを行いました。また、ISOおよびITU-Tで始まった分散型台帳技術の国際標準化の動きについても解説いただきました。Blockchain技術を使ったデータ流通や新しいエコシステムの構築に興味のある方々の参考となれば幸いです。
ご講演いただいた方々並びにご来場いただきました皆様、まことにありがとうございました。
開催スケジュール
| 開催日時 | 2018年1月26日(金)13:00~16:50 | 
|---|---|
| 開催場所 | 主婦会館プラザエフ 7F「カトレア」 〒102-0085東京都千代田区六番町15 JR 四ッ谷駅 麹町口(徒歩1分)、東京メトロ丸ノ内線 四ッ谷駅 1番出口(徒歩3分)、東京メトロ南北線 四ッ谷駅 3番出口(徒歩3分) アクセスマップ: http://plaza-f.or.jp/index2/access/ | 
| 主 催 | 国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT) 一般社団法人情報通信技術委員会(TTC) | 
| 後 援 | |
| 参加者数 | 216名 | 
講演資料
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ご参加された皆様を対象としたアンケートを実施しました。多数の方にご協力いただき、ありがとうございました。
プログラム
| 時刻 | 講演内容 | 講演者 | 
|---|---|---|
| 13:00~13:05 | 開会挨拶 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 理事 富田 二三彦 氏 | 
| 13:05~14:35 | Blockchainが目指すエコシステムの民主化 ~ネットワーク技術、暗号技術、ゲーム理論の融合~ | ジョージタウン大学 リサーチプロフェッサー 松尾 真一郎 氏 | 
| 14:35~14:50 | 休憩 | |
| 14:50~15:35 | オープンなセンサーデータの作成元情報のブロックチェーンによる保全 - Safecastプロジェクトが生成するリアルタイム環境情報への応用- | 一般社団法人Safecast Japan 代表、 MITメディアラボ研究員、 慶応大学研究員 Pieter Franken 氏 | 
| 15:35~16:15 | BlockchainとDLTの技術・標準化動向 | ISO/TC307国内委員会 委員長 楠 正憲 氏 | 
| 16:15~16:35 | 分散台帳技術(DLT)に関する国際標準化動向:ITU-T | TTCセキュリティ専門委員会委員長 三宅 優 氏 (KDDI(株)) | 
| 16:35~16:45 | 質疑等 | |
| 16:45~16:50 | 閉会挨拶 | 一般社団法人情報通信技術委員会 代表理事専務理事 前田 洋一 | 
本セミナーの一部は総務省平成29年度「デジュール及びフォーラム標準に関する標準化活動の強化に資する調査等」の標準化支援活動の取組として実施しております。
セミナーの様子







