TTC・MIC共催オンラインセミナー 「見た目のとおりの色再現:高精細映像データ医療応用における測色要件(ITU-T Rec. F780.6)」開催報告
超高精細映像を用いた医療応用における標準化の最新動向をご紹介し、医療現場における安全で高精度な画像利用を実現するための取り組みを共有しました。 近年、遠隔医療や外科手術支援、病理診断、教育分野において超高精細映像技術の活用が急速に進展しています。その一方で、異なる機器間での色再現性の差異や、撮影から表示までの映像伝送における精度の確保は、診断や治療の信頼性に直結する重要な課題となっています。こうした背景から、国際的な枠組みに基づく標準化が強く求められています。
本セミナーでは、ITU-Tにて策定が進む「超高精細映像を用いた遠隔医療システムにおける色再現の要件(F.780.6)」を中心に、光源やカメラ、ディスプレイなど各構成要素の要件、測定方法や品質保証の考え方について分かりやすく解説いただきました。
ご講演いただいた方々並びにご視聴いただきました皆様、誠にありがとうございました。
開催概要
| 開催日時 | 2025年11月14日(金)13:30~16:30 |
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| 開催方式 | Zoom Webinar |
| 主 催 | 一般社団法人情報通信技術委員会(TTC) |
| 共 催 | 一般社団法人メディカル・イノベーション・コンソーシアム(MIC) |
| 参加者数 | 92名 |
セミナー概要
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目的/背景
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本セミナーでは、超高精細映像の医療応用で課題となる機器間の色再現のばらつきや映像伝送精度の確保について、国際標準化の最新動向を紹介した。特に、ITU-Tが策定を進める「F.780.6」を中心に、光源・カメラ・ディスプレイなど主要要素の要件や測定・品質保証の考え方を解説し、医療現場で安全かつ高精度な画像利用を実現するための取り組みを共有した。本セミナーが今後の医療映像活用や研究開発に役立つことを期待している。 |
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講演内容
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総括
パネルディスカッションでは、医療映像における「正確な色再現」を社会実装するための課題が議論された。特に、撮影から表示まで一貫した色管理の必要性、臓器特有の色データ収集、AI診断における色の標準化の重要性が指摘された。また、実運用に向けた機器間ばらつきの最小化、国際標準との整合、医療現場でのワークフロー適用方法など、研究と実務をつなぐ具体的な方策について活発な意見交換が行われた。
講演動画、資料
講演動画・資料ダウンロード
プログラム
司会進行:東京大学 川森 雅仁氏
| 時刻 | 講演内容 | 講演者 |
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13:30~13:55
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開会挨拶
基調講演「デジタル医療における色再現」
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一般社団法人メディカルイノベーションコンソーシアム 理事長
千葉 敏雄氏
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13:55~14:15
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基調講演「超高精細画像と色再現」
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千葉大学 名誉教授
矢口 博久氏
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14:15~14:45
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講演「ITU-T Rec. F780.6の概要1:
勧告本文、ANNEX A: Test Colour、APPENDIX I: Test Colourに対する色度と信号」 |
元NHKテクノロジーズ
元NHK放送技術研究所 栗田 泰市郎氏
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14:45~15:00
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講演「ITU-T Rec. F780.6の概要2:
ANNEX B(1): カメラの色再現度計測法と電子色票 |
ノブオ電子株式会社 代表取締役
鈴木 均氏
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15:00~15:15
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講演「ITU-T Rec. F780.6の概要3:
ANNEX B(2):透過色票と反射色票
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大日本印刷株式会社
研究開発事業化推進センター
事業開発本部 食とヘルスケア事業開発ユニット開発第4部 部長 荻野芳彦氏 |
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15:15~15:25
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休憩
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15:25~15:45
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講演「ITU-T Rec. F780.6の概要4:
ANNEX C: ディスプレイの色再現度計測法
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静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 客員教授
久武 雄三氏
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15:45~16:05
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講演「ITU-T Rec. F780.6の概要5:
勧告適合手段の事例: 忠実色再現画像システム
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静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 客員教授
下平 美文氏
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16:05~16:25
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パネルディスカッション:
「デジタル医療の進化に対する映像技術の役割と課題」
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ファシリテータ:
東京大学 川森雅仁 氏 パネリスト:講演者の皆様 |
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16:25~16:30
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閉会挨拶
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一般社団法人情報通信技術委員会
事務局長
田尻 信行
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セミナーの様子

