2025年度情報通信技術賞(総務大臣表彰)受賞者の決定
2025年度情報通信技術賞(総務大臣表彰)の受賞者が決定しましたので、お知らせします。受賞されました皆様には、心よりお祝い申し上げます。
受賞者へのお祝いメッセージの受付を終了しました。メッセージをお寄せいただきありがとうございました。
「通信設備・装置の信頼性及び持続可能性の向上に資する標準化への貢献」
髙谷 和宏 様 (NTTグリーン&フード株式会社)
2007年より、通信設備・装置の電磁環境両立性(EMC)、信頼性向上に関する国際標準化活動に従事し、FTTH、DSL、WiFi等の普及により複雑化されたホームネットワーク環境に対する勧告ITU-T K.74、K.93の作成を通じて、通信事業者の責任分界点の明確化と装置の信頼性向上に貢献した。さらに国際情勢を踏まえ、高高度核爆発等の軍事的脅威や悪意ある電磁攻撃リスクに対処するための勧告群:ITU-T K.78、K.81、K.84、K.87、K.115の作成を主導し、通信インフラの電磁的セキュリティ対策の明確化に大きく貢献した。
2016年からは、ITU-T SG5副議長を務め、EMC/電磁界(EMF)/レジスティビリティ分野の国際標準機関間の調整を主導し、国際標準の整合性確保と所掌範囲の明確化に尽力した。EMC/EMFの分野では、通信システム多様化に応じた要求条件の適正化を図り、ITU-T K.123、K.127、K.132、K.136、K.137、K.143、K.152等の作成を通じて、電磁現象に対する信頼性向上に貢献した。レジスティビリティの分野では、我が国のTT接地方式が欧米諸国の採用するTN接地方式と比較して、より強固な耐雷性が求められることを、実故障データで立証し、ITU-T K.20、K.21、K.44、K.45の試験条件の改訂関連補助文書(K Suppl.21等)の作成を通じて、我が国の通信インフラの雷対策を明確化した。さらに、TTC標準策定支援、学術活動、国際標準化人材育成にも尽力し、我が国の国際標準化活動の発展に大きく貢献した。
「ネットワークセキュリティに関する国際標準化への貢献」
三宅 優 様 (株式会社KDDI総合研究所)
2005年からITU-T SG17(セキュリティ)のアソシエイトラポータ、SG副議長、WP議長及びFG副議長を歴任するとともに、TTCセキュリティ専門委員会が設立された2011年より初代委員長として、情報通信ネットワーク分野におけるセキュリティ標準化の国際的な推進において顕著な功績を挙げ大きく貢献した。総務省が民間インターネットサービス事業者と推進した迷惑メール対策の取り組み(法整備と技術的な対策)に参画し、2009年に発行したITU-T X.1240シリーズ補足文書で日本国内の事例を紹介することにより、日本のインターネットサービス事業者の先端的な取り組みとその効果を各国に伝え、その後の世界的な対策の普及に大きく貢献した。また、社会インフラとなる通信ネットワークとして大きく発展した5Gネットワークのセキュリティへの懸念から、欧米を中心とした各国政府が独自のセキュリティ対策を推進する中で、KDDIが国内モバイル通信事業者と連携して作成を進めた「5Gセキュリティガイドライン」の取りまとめ役として関係者をリードしながら活動するとともに、ITU-T勧告化(X.1818)を筆頭責任者として完遂し、先進的な日本の取り組みを世界に発信した。さらに、IoTネットワーク等で収集されるパーソナルデータの管理機構の勧告化(X.1363)等、セキュリティに関わる幅広い分野に関与し、ITU-T SG17全体における議論の活性化と日本のプレゼンス向上に貢献した。
2025年度情報通信技術賞(TTC会長表彰)、情報通信技術標準化奨励賞、功労賞の受賞者につきましては、以下のページをご覧ください。
2025年度情報通信技術賞(TTC会長表彰)、情報通信技術標準化奨励賞、功労賞受賞者の決定
表彰式
「情報通信技術賞・情報通信技術標準化奨励賞・功労賞」表彰式典
日時:2025年6月18日(水)17:00~17:55
場所:明治記念館
東京都港区元赤坂2丁目2−23
主催:一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)
協賛:情報通信月間推進協議会
※表彰式は招待制となっております。