マエダブログ

マエダブログ TTC専務理事・前田洋一のTTCよもやま話

平成30年度のスタートにあたり

 新年度が始まった2018年4月4日(水)~6日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで「第2回通信・放送Week」の展示会が開催されました。この展示会は、総称 「第2回通信・放送Week」として開催され、TTCにとって関心課題である「第18回光通信技術展FOE2018」、「第2回映像伝送EXPO VCOM2018」、「第1回次世代モバイル通信展」、「第1回4K・8K機材展」の4つの展示会の併催で構成されていました。

 私は、昨年のFOE2017では技術セミナーの講師として参加しましたが、本年は、TTCはこの展示会の協賛団体として初めて参加し、TTC紹介の展示コーナーを設けるとともに(写真1:TTC展示ブース)、初日の開会式では、各協賛団体や通信・放送業界からの代表総勢45名によるテープカット式典(写真2、3は開会式の模様)に参加する機会を得ました。

写真1:TTC展示ブース
写真1:TTC展示ブース
写真2:開会式の模様(全体)
写真2:開会式の模様(全体)
写真3:開会式(テープカット)の模様
写真3:開会式(テープカット)の模様

 今回の展示会は、TTCにとって重要な標準化トピックである通信分野の「5G次世代モバイル」、「光通信」、「映像伝送」や放送分野での「4K8K撮影・編集・伝送・表示」などの関連製品が多数出展され、最新の製品や実機デモンストレーションなどを見学することができました。展示会主催者であるリードエグジビジョンジャパン(株)の速報によれば、「通信・放送Week2018」の来場者数は24833名(再入場者数を含まない)で、当初の見込みを上回る盛況であったようです。

 本ブログでは、平成30年度のはじめに当たり、TTCの今年度の事業計画を基に、標準化環境を検証し、TTCの標準化活動方針を再確認したいと思います。

1.TTCの活動方針

 情報通信ネットワークの標準化をとりまく状況は、デジタルトランスフォーメーションの加速による新しいICTビジネスやサービスの急速な発展、オープンイノベーションを支えるために技術面のみならずビジネス面への活動エリアの拡大、開発の効率化に有用なオープンソースソフトウェア(OSS)を活用する動きの活発化など、従来とは大きく変わったものとなっています。

 TTCとしては、このような状況変化を認識し、必要とされる活動をタイムリーかつ効率的に実施するために、組織、運営等を柔軟に見直しながら、以下の戦略的な標準化活動を展開していきたいと考えています。

  • 魅力的なテーマ発掘に資する研究課題の検討を進め、その成果のビジネス連携や標準化活動への迅速な反映に取り組む
  • 将来を含め標準化に関わるあらゆる動向を踏まえ、標準化活動を効率的に行うための調査・検討体制の設置をタイムリーに行う
  • IoT検討推進のためにIoTイノベーション推進体制を活用する
  • 重要技術分野として、AI、分散型台帳技術、5Gネットワーキング(ソフト化・スライシング、エッジコンピューティング、モバイルフロントホール/バックホール等)、IoT(エリアネットワーク、プラットフォーム)、セキュリティなどの分野の発展・充実化を図る
  • セミナー開催等による情報発信の活性化とTTCホームページの充実化によるTTC活動の「見える化」を推進する

 この戦略方針に基づき、TTCは新たに「AI活用専門委員会」を設置しました。同委員会は、

①   AI(人工知能)活用によって次世代サービス基盤の高度化が見込める分野の中から、共通の技術ドキュメント作成など会員企業の協働作業が必要と考えられるテーマについて、その具体化に向けて検討する

②   世界最先端のAI活用を推進し、世界中から知見を収集し情報発信することで、会員の新たなサービス創出や最先端のビジネス環境の構築を促進する

ことを目的としています。現在、参加者を募集中ですので、情報通信ネットワーク分野におけるAI活用にご興味がある会員はぜひ活動にご参加下さい。

2.「IoT/BD/AI時代に向けたデジュール及びフォーラム標準に関する標準化動向調査」調査者の募集

 我が国の国際標準化の推進に関しては、ITU等のデジュール標準に加え、民間主導の各種フォーラム等におけるフォーラム標準化が活発化しつつある中で、国際標準化は、ネットワークやサービス等に係る規格を共通化することによって、通信機器やネットワークの相互接続性の確保を図るとともに、世界的な市場創出や国際競争力強化につながる重要な政策課題であると認識され、総務省の情報通信審議会(「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」)からは、戦略的に国際標準化を進めるべく、政府として総合的な支援を行っていくことが答申されています。総務省では、これらの答申を踏まえ、国際標準化機関・団体における標準化関連会合等に参加して、国際標準化を主導する者、最新の動向把握のための調査を行う者等を派遣することとし、請負主体において、派遣する者の募集を実施することとなりました。

 この度、総務省平成30年度予算「戦略的な国際標準化の推進」の施策として、TTCは、総務省から「デジュール及びフォーラム標準に関する標準化活動の強化に資する調査等」を請負い、その一環として、2018年4月10日より、国際標準化機関・団体の動向調査に携わる調査者の募集を開始することとなりました。

 国際標準化機関・団体の動向調査に関心のある方は、事務局までお尋ねください。