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マエダブログ TTC専務理事・前田洋一のTTCよもやま話

ZigBee AllianceとのMoUの締結について

写真1 調印式
写真1 調印式

 2月21日、TTCはZigBee Allianceと標準化組織間の協調連携を推進するためにMoU(Memorandum of Understanding)を締結しました。写真1はZigBee Alliance の名誉会長兼チーフテクノロジストのBob Heile氏とTTC前田とのMoU締結のための調印式の模様です。

  ZigBee Allianceは、2002年10月にIEEE 801.15.4(ワイヤレスセンサーネットワーク向け近距離無線通信規格)の上位レイヤ規格であるZigBee規格策定を目的に設立された業界団体で、会員加盟数は2013年2月現在で、約400社であり、近年でも会員が増加している活発な団体のひとつです。

 TTCにおける次世代ホームネットワークシステム専門委員会では、HEMS(Home Energy Management System)と住宅内機器を接続する標準インタフェースであるECHONET Lite規格の下位層通信インタフェースを実装するためのガイドラインとして、2012年11月6日にTTC技術レポート「ホームネットワーク通信インタフェース実装ガイドライン」(TR-1043 第1版)を制定しました。

  TTCにおけるTR-1043(第1版)制定の背景としては、ECHONET Lite 規格はエコーネットコンソーシアムで制定した国際標準であり、日本においてHEMSと住宅内機器を接続する標準の通信インタフェースとして、2012年2月に経済産業省から推奨されました。しかし、ECHONET Lite規格では標準の各種通信プロトコルの適用を容易にするため、OSIにおける上位層(レイヤ5以上)のみを規定しており、下位層(レイヤ4以下)については規定しておらず、実際にECHONET Lite規格を使用して住宅内機器をネットワークに接続するために必要な下位層に関する情報をまとめたガイドラインを通信インタフェースの標準化を扱うTTCがTR-1043(第1版)を制定することとなりました。

  その後、第1版に対し、下位層実装の概要に関し、2013年2月21日に制定(2月25日公開)したTTC標準JJ-300.10「ECHONET Lite向けホームネットワーク通信インタフェース(IEEE 802.15.4/4e/4g 920MHz帯無線)」とJJ-300.11「ECHONET Lite向けホームネットワーク通信インタフェース(ITU-T G.9903狭帯域OFDM PLC)」を反映(改定)し、2月26日に第2.1版を制定しました。

  この改訂版の検討においては、エコーネットコンソーシアム、Wi-SUN Alliance およびZigBee Allianceと共同して TR-1043に記載のTTC標準「ECHONET Lite向けホームネットワーク通信インタフェース (IEEE802.15.4/4e/4g 920MHz帯無線)」(JJ-300.10)の制定作業をすすめてきましたが。今後、TTC標準策定に必要な情報をお互いに開示できるようにし、標準作成作業を円滑に行なうために、ZigBee Alliance とMoUを締結して、両組織間の交流を図ることがTTCにとって有益であると判断しました。また同様に、 Wi-SUN AllianceともMoUを締結することとしました。

  最後に、写真2は、MoU調印式に参加いただいたTTCとZigBee Allianceの関係者の集合写真です。Bobさんと前田の後列は、左から、TTCの国際連携アドバイザリーグループ事務局の田村潤三氏と次世代ホームネットワーク事務局の谷口康一氏、ZigBee Allianceの戦略担当VPのRyan Meley氏、920MHz ZigBee IP TG 議長の佐藤範之氏、SIG-J 常務理事の福永茂氏、TTC企画戦略委員の川西素春氏です。調印式のために米国からわざわざ日本に立ち寄っていただいたZigBee Allianceの関係者の皆様に感謝します。

写真2 集合写真
写真2 集合写真