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TR-1081「インフラモニタリング情報モデルのユースケース」の制定(IoTエリアネットワーク専門委員会)

  IoTエリアネットワーク専門委員会では、2020年2月4日付けで、TR-1081「インフラモニタリング情報モデルのユースケース」を制定しました。

TR-1081制定の背景と概要

  高度経済成長期に集中的に整備された社会インフラは老朽化が進み、対策が検討されている。「インフラ長寿命化計画」では、今後20年以内に建設から50年以上を経過するインフラの割合が50%を越えることが示され、点検による予防保全の強化などによる社会インフラの長寿命化が求められている。インフラの維持管理は目視点検が基本とされているが、点検コストやスキルをもった人材の減少などの課題もある。このため、ICT技術の活用による維持管理コストの低減や点検作業者のスキルに依存しない点検品質の均一化が期待されている。従来の点検は5年に一度などの周期で集中的に行うのに対し、モニタリングは、センサー等を利用して、時間/日単位などの比較的短い周期で継続的にデータを収集する手法であるため、点検・診断・補修効果確認・災害後の状態確認などに関する補助的な手段として活用する事が考えられる。モニタリングの導入により、インフラ維持管理業務の高度化、効率化を長期的に見て低コストで実現できる可能性がある。さらに、継続的に蓄積したセンサー情報を他のデータと合わせてAI技術などを用いて分析する事により、損傷の早期発見や劣化の予兆検知などが可能となることも期待されている。

  IoTを活用したインフラモニタリングシステムには、センサーデバイスの管理・制御や、収集したデータの伝送・処理・蓄積などの機能が含まれるが、これに必要な情報やデータの種別・形式はベンダーおよびシステム毎に異なるのが現状である。インフラモニタリングに関しては2014年ごろから多くの実証実験が実施され、5年を経て一定の成果が出始めたところであるが、システムはそれぞれ独立しており、システム間でのデータ共有や連携についてはほとんど検討が進んでいない。今後モニタリングシステムの導入が進みセンサーデータが継続的に蓄積されてゆく事を考えると、検証されたセンサーに関する共通的な情報については予め規格を定めておくことでデータの継続性を確保することができると考えられる。

  産学官共同でIoT技術の開発・実証などを目的に設立された「IoT推進コンソーシアム」では、技術開発・実証を推進する「スマートIoT推進フォーラム」の技術・標準化分科会に「インフラモニタリングタスクフォース」を2017年に設置し、IoTを活用したインフラモニタリングに関する標準化を行っている。また、モニタリングシステム技術研究組合(RAIMS)では、3年間にわたるインフラモニタリングの実証実験の成果を「土木構造物のためのモニタリングシステム活用ガイドライン」として2019年3月に出版した。本TRはこのガイドラインに記載された実証実験の成果をふまえつつ、汎用的なIoTアーキテクチャの基本モデルを整理し、インフラモニタリングシステムを構築する際のさまざまなユースケースについてまとめたものである。