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TR-1075「 IEEE 802.1CFに基づくIoTエリアネットワーク運用管理アーキテクチャ」の制定(IoTエリアネットワーク専門委員会)

  IoTエリアネットワーク専門委員会では、2019年9月9日付けで、TR-1075「IEEE 802.1CFに基づくIoTエリアネットワーク運用管理アーキテクチャ」を制定しました。

TR-1075制定の背景と概要

  IoTの普及に伴い、ホームを含むIoTの現場(IoTエリアネットワーク)には、センサーやデバイスといった身の回りのあらゆるモノが相互に接続されネットワークを構成するようになった。IoTエリアネットワークでは、設置されるデバイスの種類や数が多いことや、ネットワークへの接続方法が複数ありネットワーク構成が複雑となる。こうした複雑なネットワークでは、デバイスが接続できない、データ送受信ができないなどの障害が発生した時に、同時に動作している複数のシステムのどこに問題があるかを特定することが困難である。

  特に接続に無線を利用する場合には時々刻々と状況が変化し、現在接続されているモノが次の瞬間に接続できない、もしくは応答が遅くなる等の現象が発生しうる。そのため、IoTシステム運用の安定化及び効率化には、IoTエリアネットワーク全体の状態把握、障害の検出、障害原因の特定、そして障害からの復旧プロセスを遠隔から実現する仕組みが重要である。TTCでは、ホームネットワークに接続される情報家電やネットワーク機器のトポロジー情報を取得するITU-T勧告G.9973(TTC JJ-300.00)を制定しており、保守で必要となる機器の内部情報を通知する機能拡張をJJ-300.00第3.0版として改訂済みである。

  IEEE 802委員会で規定される有線・無線ネットワークにおいて、共通の運用管理機能を実現するアーキテクチャの規格化がIEEE 802.1CFとして完了した。IEEE 802.1CFは、エンドデバイスからクラウドまで、IoTシステム全体をスコープとしている。一方で、TTC JJ-300.00は、エージェントを搭載するエンドデバイスからマネージャを搭載するゲートウェイ(GW)までの、IoTエリアネットワークをスコープとし、運用管理に関わる情報を通信するアーキテクチャとプロトコルについて規定している。

本技術レポートTR-1075は、IoTエリアネットワーク内の通信における運用管理情報を取得する方式として、IEEE 802.1CFのアクセスネットワークへのTTC JJ-300.00適用方法を記載したものである。