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TTA訪問および第57回oneM2M TP韓国会合参加報告

  11月28日(月)から12月2日(金)にoneM2Mの第57回TP(Technical Plenary)会合が韓国の城南市、板橋テクノバレー内のTTA (Telecommunications Technology Association:韓国情報通信技術協会)Global IoT Testing & Certification Centerとオンラインのハイブリッドで約70名(現地30名)の参加者で開催されました。また、12月2日に、本会合のホストを務めるパートナのTTA本部に訪問しVice PresidentKoo氏と意見交換をしました。

TP57会合の様子 (議長:Roland氏(DT)、セクレタリアート:Karen氏(ETSI))
TP57会合の様子 (議長:Roland氏(DT)、セクレタリアート:Karen氏(ETSI))

1.  TP(Technical Plenary)57会合の主な結果

1.1 ワークプログラムに関する主な結果

  TP57の結果、リリース4の承認が完了(対象は、TP-2022-0111R02 Release 4 Control Documentを参照のこと)し、また、リリース5のStage1のフリーズはMetaverse等の検討のため、TP58へ延期することが合意されました。

1.2 TPおよびWGの議長・副議長職の選任

  TP57においてTP 副議長およびWG 副議長の空席について検討されましたが、TP57の時点では候補者はない状況で、次回TP会合まで継続して受付けることになりました。

  この結果、TPおよび各WGのリーダシップは図に示す通りとなりました。

図 TPおよび各WGの体制
図 TPおよび各WGの体制

1.3 作業項目の提案 / アップデート

  TP57において、以下の作業項目について変更提案がありました。

  • WI-0091 (oneM2M Services and Platforms Discovery)およびWI-0095 (System enhancements to support Data Protection Regulations)について、検討スケジュール・体制についての変更

1.4 対外リエゾン

  TP57に対して以下のリエゾン文書が入力され、対応に関する議論が行われました。

(1)  Backward Compatibility of oneM2M Releases for the purposes of Certification, GCF-IAG, (TP-2022-0101)

  • GCF(Global Certification Forum) IAG(Internet of Things Agreement Group)では、リリース1とリリース2の適合性試験を実施しようとしているが、それらについてバックワードコンパティビリティが必要であるかどうかを確認するリエゾン。
  • 議論の結果をリエゾンバックすることとした。

(2) LS on Establishment of the Correspondence Group for datasets applicable for AI/ML in networks (CG-datasets for AI/ML in networks), ITU-T SG13, (TP-2022-0102)

  • ITU-T SG13において、AI/MLのためのデータセットについて検討するコレスポンデンスグループを立ち上げたことの情報提供。

1.5 CollaborationおよびDeveloper outreach

(1)  Discussion on joint whitepaper with ETSI ISG(Industry Specification Group) MEC(Multi-access Edge Computing), ETSI ISG (TP-2022-0103)

  • ETSI ISG MECと共同で、エッジノードに関するホワイトペーパー(ユースケース、アーキテクチャ、性能評価等)を作成する予定であることの情報共有。

(2) ETSI ISG CIM(Context Information Management) – Status of discussion on next steps of oneM2M and NGSI-LD(注)

  • TP56に引き続き、ETSI ISG CIMにおける新TC設立に関してオフラインの議論の状況が共有された。いまだ結論は出ず、継続検討。

(3) ETSI TTF T019–TP56に引き続き、oneM2Mに関する各種評価の状況についてのアップデートがあった。(TP-2022-0125)

2.  関連イベント

2.1  oneM2M International Hackathon

  10月4日から11月28日まで実施されたoneM2M International Hackathonには6か国から17チームがオンラインで参加しました。11月28日に行われたAward ceremonyの様子(合計8チームが表彰されました)を以下に示します。​​​

oneM2M International Hackathon Award ceremonyの様子
oneM2M International Hackathon Award ceremonyの様子

2.2 oneM2M Metaverse IoT Workshop

  11月29日にoneM2M Metaverse IoT Workshop(ハイブリッド会合)が開催されました。oneM2Mメンバ外からも参加でき、TP chairによるoneM2Mの紹介、Metaverse IoTの各種ユースケース、課題に関するプレゼンがありました。

2.3 oneM2M Conference

  また、12月1日および2日の夕方、対外的なMARCOM活動の一環として、oneM2M Conferenceが開催されました。oneM2Mの基本機能と特長、各種ユースケース、標準化ロードマップ、認証に関するエコシステム等の紹介が行われました。

oneM2M Conferenceの様子
oneM2M Conferenceの様子

2.4 Interopイベント

  TP57の次の週に開催されるInteropイベントに関する情報共有。6~7組織が参加の予定です。

3.  おわりに

  前ブログに記載のとおり、週前半にタイに訪問しましたが、30度以上の外気に対して室内冷房の寒さに苦労しました。一方、韓国では、寒冷前線が出迎え、外気がマイナス10度となり、しかも雪模様と、体調管理が大変でした。TTAとは、CCSAとともに、定期的に日中韓IT標準化会合で意見交換を行っていますが、コロナ禍で約3年間実施されておらず、TTAへ訪問し、標準化のメンバと直接会えたのは5年ぶりでした。今回、oneM2Mの会場となった板橋テクノバレーは韓国のシリコンバレーのようで、SMEも含めICT企業が集結したエリアで、多くの若者を見かけました。滞在期間、サッカーワールドカップで韓国と日本が劇的な勝利をあげ、互いに盛り上がりました。印象に残る訪問の一つになると思います。

少なくとも半日は、TTAでは有名人扱いでした
少なくとも半日は、TTAでは有名人扱いでした

4.  今後の予定

  次会合TP58は、2023年2月6日から10日にインドで開催を予定です。また、TP61では、米国での開催が検討されています。

(注)NGSI-LDは、コンテキスト情報 (context information) をパブリッシュ (publishing)、クエリ (querying)、およびサブスクライブ (subscribing) するための情報モデル (information model) およびAPIです。