3 標準化会議議長の会議進行シナリオ
標準化会議における議長は、会議の決定において最大の権限を持つ重要な役割ですが、「コンセンサス」を目的に会議を進行することから、会議参加者に対して、中立、公平に、合意形成を目指して進行することが求められ、議長の発言は「ゆっくり」、「明瞭に」、「分かり易く」することが重要となります。
また、標準化会議の構成は、会議トピックや会議参加者のタイプ、参加者数などの規模によりバラエティーに富みますが、共通的な構成を想定することにより、会議の流れに沿った議論への参加と対処準備が可能となります。
会議における議長の基本的な役目としては、会議の流れに沿って以下の項目があげられます。
1) 開会
1') 参加者確認 (会議により、定足数やメンバー確認を行うこともある)
2) 議題案の承認
3) 前回会議報告書の確認:Report of the previous meeting
3') 前回会議以降の中間会合報告の確認: Report of the interim activities
4) 今回会合の目的確認
5) 作業日程の確認
6) 会合設備等の注意事項確認
7) 審議文書の配分
8) その他の調整事項の確認
9) 審議草案の確認
9') 勧告草案審議の前に共通パテントポリシとガイドラインに基づく特許確認
9'') 作業グループからの審議結果報告
10) 決議事項の承認
11) 勧告草案の承認
12) 外部関連機関とのリエゾン文書の確認
13) 将来業務と次回会合計画の確認:Items for future work
14) その他:Any other business
15) 閉会
なお、本節で紹介する会議シナリオ例は、ITU-T SG15議長をフル2期8年間務めた実践事例を基に解説したもので、会合名や資料番号などはあくまでも一例である。