活動内容

その次の未来に向けた場作り
~標準化会議議長就任にあたって~

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KDDI株式会社
滝嶋 康弘

  標準化会議議長を拝命いたしました、KDDI株式会社の滝嶋です。
どうぞよろしくお願いいたします。

  これからの2年間、数字の上でも社会変化の点でも重要な節目にさしかかろうとしています。そうしたタイミングで、重責を担うことになったことを痛切に実感しております。日本では元号が改まり、新たな1年からの新時代が始まりましたが、西暦においても10年を1つの区切りと考えると、21世紀の3つ目の区切りにまもなく移行いたします。従来の習慣や社会の仕組みが急速に変わりつつある一方で、世界全体が新しい時代到来への期待感に包まれていると言ったら、楽観的過ぎるでしょうか。実際、通信の世界では、5G無線の商用サービスが開始いたしますし、自動運転や話ができるロボットなど新しい時代の始動に向けた重要な要素が次々と揃いつつあります。科学の分野でも宇宙開発、再生医療など、未来だと思っていたこと、夢物語だと思っていたことが、急激に身近で現実的な存在になってきました。

  一方で、こうした大きな進歩の裏側には、各種活動の体制や進め方にも大きな変化があることは、皆様もお気づきのことかと思います。国際協力による大型プロジェクト、国家主導による戦略的取り組み、新興企業による投資型活動など、世界の大きな渦の中で、日本においても持続的成長に向けた対応が求められているのではないでしょうか。オープンイノベーションの推進、技術とビジネスの密な連携など、新しい価値観のもとで標準化のあり方も変わりつつありますし、新しいテーマほど、その活動母体が多様化しており、それら個々の進展や成果をいかに連携・活用していくかが、大局的な活動をする組織に求められているように思われます。

  ところで、私自身はテレビ電話・テレビ会議向けの動画像符号化方式であるCCITT H.261の活動において、最初に国際標準化に携わりました。当時のパラダイムシフトのキーワードは、「デジタル化」であったと記憶しています。多様な種類の情報を統合的に伝送可能なISDNの登場を背景に、個人レベルの通信においても、動画像をともなったコミュニケーションが実現することに大きな期待が寄せられました。その後約30年の時を経て、ビジネスでの多地点ビデオ会議、個人のモバイル映像コンテンツ視聴は、完全に日常の一コマになっています。デジュール/デファクトの標準が、各時代の最新要素を取り入れつつ世代交代しながら、サービスの進化を牽引してきたことの好例ではないでしょうか。

  今日、再び「デジタルトランスフォーメーション」が叫ばれています。その中でも世界を動かしつつあるキーワードの代表例は、「AI」や「SDG’s」でしょうか。こうした背景に基づき、TTCの企画戦略委員会では、委員はじめ関係各位のご尽力により、これまでにAIに関する標準化や組織横断活動の調査ならびにユースケースに着目した議論中心の研究会の実施、SDG’sとの関係に基づく活動計画の策定などを行い、新しいテーマや成果活用の検討に注力してまいりました。これに加えて、TTCの活動強化や効果拡大を促進するために専門委員会の課題の整理を行い、ホームページ改訂などによる情報発信にも力を注いできました。これからの2年間においては、SDG’sが目標とする2030年に向けての最初の一歩として、こうした取り組みを一層発展できるように取り組んで参りたいと考えております。特にTTCが、新しい課題を考える場として、多様な分野から多くの人が集まり、化学反応が起こり、参加者や世界に新たな価値をもたらすことができることを目指して、参加しやすい環境作りや多くの人が話したり考えたりする契機となる情報発信など、関係皆様のご協力いただきながら、身近なところから一つずつ進んでいければと考えています。ご指導、ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願いいたします。