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マエダブログ TTC専務理事・前田洋一のTTCよもやま話

日本/カンボジアICTフォーラム2015開催される

 カンボジア王国の郵便電気通信省;Ministry of Posts and Telecommunications(MPTC)の要請により、4月7日(火)、カンボジア首都のプノンペンにあるホテル・カンボジアーナにおいて、『日本/カンボジア情報通信技術(ICT)フォーラム2015』が開催されました。

 本フォーラムは一般社団法人日本技術者連盟の主催により、民間ベースの日本とカンボジア両国の交流イベントとして企画運営され、私は日本団団長として協力させていただきました。また、TTCとしては、アジア諸国の標準化格差是正の課題に取り組むBSG専門委員会の関連課題として重要性を認識し、後援組織として参加支援させていただくとともに、開会挨拶と技術講演の機会を頂きました。今回のブログでは、私にとって初訪問となったカンボジアでのフォーラム開催の様子を報告します。

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表敬訪問時のSokhonn大臣との挨拶

 フォーラム前日の4月6日には、カンボジアMPTCのPrak SOKHONN大臣への表敬訪問の機会を与えられるとともに、本フォーラムのオーガナイザーを担当されたMPTCの情報通信技術庁のChea MANIT長官とMPTC幹部との意見交換の機会を得られました。ちょうど6日午前には、メコン川で日本の政府開発援助(ODA)で建設が進められてきた巨大な斜張橋「つばさ橋」が完成し、開通式典が開かれました。橋は首都プノンペンの南東にあり、首都とベトナム国境を結ぶ主要幹線道路国道1号に架かり、道路はベトナム・ホーチミン、カンボジア・プノンペン、タイ・バンコクを結ぶメコン川流域の「南部経済回廊」の一部に当たり、この橋の完成で3カ国の人や物の流れの活性化につながることが期待されています。この橋の開通式典の影響もあり、我々日本団への歓迎の雰囲気は高まっていると感じました。

 4月7日開催の本フォーラムは、カンボジアの情報通信振興に中心的な役割を果たしているカンボジア政府関係者や情報通信関係事業者に対して、日本の情報通信技術や電気通信製品の優位性を紹介するとともに、カンボジアの情報通信基盤市場について、電子政府システム構築とサイバーセキュリティ強化などのカンボジアの抱える課題を中心に紹介することにより、日本とカンボジアの情報通信の振興、人材の育成及び国際競争力の向上に寄与することを目的とします。また、本フォーラムは、在カンボジア日本国大使館が日本とカンボジアの関係強化を目的に推進する「日カンボジア絆増進事業」に認定され、在カンボジア日本国大使館の支援を頂きました。

 本フォーラムには、日本側からは、民間12社の代表の参加の他、在カンボジア日本国大使館、総務省行政管理局行政情報システム企画課及び情報通信国際戦略局国際協力課を含め38名、カンボジア側からはMPTCを始め、各政府機関の官僚クラスや民間組織からの参加者を含め254名が参加する大変盛況なイベントとなりました。フォーラムの開会式典では、在カンボジア王国駐在特命全権大使の隈丸優次大使とカンボジア王国MPTCのPrak SOKHONN大臣のご参加を頂きました。

 開会式典の後、本フォーラムの技術講演は3つのセッションで構成され、電子政府の構築、サイバーセキュリティ、過疎地域におけるICTアプリケーション、ICT標準化、データセンター構築などの話題を中心に議論が行われました。

 フォーラム翌日の帰国日の8日には、MPTC大臣の計らいにより、日本団メンバーに、首相官邸地下のデータセンター、カンボジアの通信業者であるMekongnet、Metfone、Telecom Cambodia各社の局設備の見学の機会が得られました。見学でプノンペン市内を移動中に印象的であった景色をご覧ください。電柱に架空電話線ケーブルが束となって張り巡らされている風景が印象的であるとともに、日本の技術で改善に貢献できればと思った次第です。

 今回のフォーラムは、民間ベースのカンボジアと日本とのICT分野における初めての交流イベントであり、両国相互の人的なチャネルの発掘と新たな信頼関係の構築のきっかけになることを祈って企画されました。今後は日本政府や在カンボジア日本国大使館のリーダーシップにより、両国の絆が深まっていくことを期待します。

 本フォーラムでのカンボジア側及び日本側の参加各社の講演内容に関心のある方は、TTCのBSG専門委員会事務局までお問い合わせください。