専務理事挨拶

web_maeda.jpg一般社団法人情報通信技術委員会 代表理事専務理事 前田洋一

  平成26年6月23日に開催された第166回理事会において、会長職に羽鳥光俊氏、専務理事職に前田が各々再選定されましたので、ご報告申し上げます。専務理事職は3期目となりますが、引き続き担当いただく会長との連携を維持し、TTC会員皆様のご意見を踏まえ、専務理事としての責務を果たすよう尽力したいと思います。

  TTCは、一般社団法人として「情報通信ネットワークに係る標準を作成することにより、情報通信分野における標準化に貢献するとともに、その普及を図ることを目的」としており、国内外に受け入れられる情報通信ネットワーク標準の発信により情報通信の高度化と普及に貢献する日本の標準化活動の基地となれるようTTCの役割を考えたいと思います。

  1985年にTTCが設立され、間もなく30周年を迎えますが、設立当時のTTC組織の狙いや期待と現時点でのそれらは異なってきており、TTC会員のTTCの必要性に対する考えも変わってきています。TTC会員数の維持と更なる拡大を図るためには、TTCの位置づけの再確認や取り組むべき課題の取捨選択を検討する時期に来ています。TTCの本来のミッションを果たすためにも、その組織としての存続の在り方をタイムリーに見直していきたいと考えます。

  大きな変化のひとつとしては、標準化対象エリアが通信インフラ領域での標準化エリアから上位レイヤに移ってきたことです。更に、それらの課題は従来のITU、ISO、IECといった棲み分けを越えたところにあり、情報通信だけでは対応できなくなっており、ITU、ISO、IECを跨った課題に取り組むために、国内の関連組織との役割分担と連携方法を検討し、TTCの活動エリアを明確にする必要があると考えます。その中で、国内でのマルチキャリア相互接続の実現のための国内標準の制定やITU-Tを中心とするデジュール標準化活動におけるアップストリーム活動推進の基地として、TTCの存在意義は見いだされていると思います。

  更に国内に目を向けると、通信インフラの物作りでは、日本の情報通信が世界をリードできない現実が続いており、改めて、TTC会員各社が標準化を活用したグローバルビジネス戦略に役立つため、TTCの新たな役割についても考えていかなければなりません。TTC会員がTTCの場を使って、戦略的な新規テーマを抽出し、標準化の早期段階から、ユースケースや要求条件などについて意見交換や協調連携し、グローバル市場に発信していく環境を提供できればと考えます。

  グローバルビジネスを考える場合、新興国で採用される傾向が高いデジュール標準の価値は重要であり、ITU-Tと結びつきが強いTTCの活動は必要となるでしょう。新興国としては、今までの普及推進委員会やBSG専門委員会での東南アジア(フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム等)での経験やCJK(中国、日本、韓国)での標準化連携をベースに、APTでの普及活動に取組んでいきたいと思います。

  ICTを取り巻く環境の変化やICTイノベーションへの期待が高まる中にあって、標準化課題としては、セキュリティ、環境、アクセシビリティ等では、国という枠組みとしての国内標準の意義があり、ICTを取り巻く環境が変化しても、情報通信の根っこのところにある相互接続性、ネットワークサービスの安定運用、品質や安全確保については、引き続き検討していかなければならないのであり、TTCが取り組むべき課題は沢山あると考えます。

  平成22年10月1日の専務理事就任後、TTCは、平成23年4月に一般社団法人に移行し、運営体制に大きな変化がございました。移行と共に、標準化活動に関しては、業界横断的な新規ビジネスに関する課題発掘と戦略検討を行う『業際イノベーション本部(I3C:Inter-Industry Innovation Center)』を立ち上げ、ITU-Tへのアップストリーム活動の拡充・効率化を図るため、専門委員会とアドバイザリーグループの再編を行ってきました。 今後も、標準化動向にあわせたタイムリーな体制強化を実施し、これから標準化が本格化する、IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)、スマートグリッド、ITS(Intelligent Transport Systems)、e ヘルス、ビックデータ/クラウドコンピューティング、SDN(Software Defined Networking)、災害に強い通信ネットワーク、将来モバイルネットワークを支える新世代ネットワーク等の新規分野の課題に対して、迅速かつ柔軟に標準化検討を行なっていきます。

  再任をいただき、標準化の推進と普及活動を通じ、TTCが我が国の競争力の向上に少しでも貢献できればと考えております。微力ではございますが、最善を尽くして務めさせていただく所存でございます。これまでと同様に、ご指導とご支援を賜りますようお願いを申し上げます。