専務理事挨拶
社団法人 情報通信技術委員会 専務理事 前田洋一
皆様には突然のご挨拶となりますが、井上友二理事長のご退任に伴い、後任として、10月1日からTTCの専務理事に就任しました前田洋一でございます。新役員体制では、羽鳥光俊先生を会長(非常勤)とし、私が専務理事、重田憲之氏が事務局長を担当します。井上様におかれましては、10月1日より、株式会社トヨタIT開発センターの代表取締役・会長に就任されることになりましたが、今後はTTC顧問として、アジア連携を核とする普及推進委員会と新たな業際標準化の立ち上げへの活動支援をお願いしております。
この紙面では、私の標準化活動に関する略歴をもって自己紹介をさせていただきます。私は、1980年にNTT(当時は電電公社)の電気通信研究所に入所し26年間、主にブロードバンドネットワークおよび光アクセスシステムの研究開発に従事しました。その後、約4年間、NTTアドバンステクノロジー株式会社で標準化推進の業務を担当しました。この30年間の中で、1988年4月から一年間、英国電気通信研究所(BT)の交換研究員として留学する機会を得ました。帰国後の1989年から、ATM(Asynchronous Transfer Mode)やFTTH(Fiber To The Home)の研究成果を国際標準化に生かすために、DAVIC(Digital Audio Visual Council)やFSAN(Full Service Access Network)というデファクト系の標準化とともに、ITU-T(当時はCCITTと呼ばれていた)におけるデジュール系の国際標準化に関わり、諸先輩のご指導のおかげで、2000年からITU-TのSG13副議長を1会期、2004年からはSG15議長を担当し、現在、最後の2期目に入っています。最近の4年間では、標準化活動支援を通じて、ITU-TにおけるIPTV、ICTと気候変動、スマートグリッドなどの新しい標準化課題の立ち上げと、大学や研究機関のアカデミアとITUとの連携を図るためのKaleidoscope国際会議の企画運営に関わってきました。また、TTCでは、委員としての活動のほか、情報転送専門委員会の委員長を6年間ほど担当しました。
近年、グローバルビジネス社会における国際競争力強化における標準化戦略の重要性に関心が集まるようになってきましたが、私の国際標準化の考え方については、2007年4月発行のTTC Report(Vol.22/No.1)で「TTCに寄せて‐国際標準化の意義と若手育成」で私見を述べましたが、今後のTTCのあり方を議論するに当たり、ご参考にしていただければ幸いです。またその中で、フォーラム標準の重要性が議論されていますが、今後のデジュール標準化の維持と活用と、フォーラムとデジュールを連携することによる社会のニーズに整合した標準化の推進が重要と考えます。
この度のTTCでの業務を引き継ぐに当たり、TTC発足から25年間の歴史の中で、会員数の減少という厳しい経営環境の改善、ネットワークインフラ重視の標準化の惰性からの脱却、iSIPc(ICT標準化・知財センター)の発展的な整理、一般社団法人への移行に向けた新規課題への挑戦など、責任は大きく身が引き締まる思いです。
私は2012年まで任期のあるITU-T SG15議長職については継続することとなっており多忙な環境になるかとは思いますが、国際標準化の現場でのホットな活動情報と人的チャネルを活用することにより、TTCの運営に生かすことができればと思っております。また、この三年間で井上前理事長に種をまいていただいたアジア連携のための普及推進委員会の活動推進やスマートグリッドのアドバイザリーグループの設立など新しい標準化課題に取り組むことで、業界横断による新事業創造に寄与できる標準化策定とその普及推進に取り組んでいきたいと考えております。
最後になりましたが、標準化の推進と普及活動を通じて我が国の競争力の向上に貢献できるよう、微力ではございますが最善を尽くす所存でございますので、何卒ご支援ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。





