CEATEC JAPAN 2018コンファレンス「5Gの実現・利活用に向けたコラボレーション ~国際標準化とパートナー連携の最前線~ 3GPPサミット ~5G標準化の最前線~」開催報告

 一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)は、2018年10月16日(火)~ 19日(金)に開催される総合展示会CEATEC JAPAN  2018」におきまして、3GPP主催、総務省、及び3GPPの日本パートナーである一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)、一般社団法人電波産業会(ARIB)共催にて、標記セミナーを開催しました。

 1999年、初めてモバイル通信システムの世界標準を制定した3GPP は、現在の世界中でのスマホ普及の起爆剤となったLTE, 第四世代(4G)システムを標準化、今年6月、さらなる高速大容量化と全てのモノを繋げる第五世代システム「5G」の最初の標準仕様を完了しました。

 このコンファレンスでは、「5G」の普及に向けた3GPPの標準化活動の最前線とそのカギとなるセキュリティの取り組み、自動車業界との連携を取り上げ、各担当領域のリーダを講師に迎えて、その活動の進捗と技術の概要をご紹介頂きました。

 コンファレンスは、3GPPの標準化活動全般のスコープ、戦略、進捗、ガバナンスをつかさどるProject Coordination Group(PCG)の副議長を務める、TTC事務局長 稲田修一の、3GPPのモバイル標準化における役割、5Gに向けて取り組む主要な課題などを交えた開会挨拶で幕を開けました。

 続いて、3GPPの運営実務を司る、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)のCTOであるAdrian Scrase氏が基調講演として、3GPPのコンセプト、グローバルな連携、3Gから4Gを経て5Gに繋がる活動と技術のスコープ・概要の全般を紹介しました。

 3GPPの技術仕様策定グループ(TSG)は3つの大きな柱から構成されており、無線方式とアクセス網(Radio Access Network; RAN)、サービスとシステム全般(Service and System Aspects; SA)、コアネットワークと端末(Core Network and Terminals; CT)の各議長と、日本企業から選出されている副議長とが連携して、各グループの、特に5Gの新しいユースケースとそれを実現するために焦点となる主要な技術への取組みが解説されました。

 TSG-RAN議長Balazs Bertenyi氏(Nokia)と副議長 永田聡氏(NTTドコモ)が5Gのコンセプトとそれを実現するための"5G-NR"無線方式と、4G(LTE)から5Gへのマイグレーションを考慮した"Non-Standalone(NSA)"と5Gの要素からなる"Standalone(SA)"システム構成と、今後の5G機能拡張のためのアクセス網に関する課題とその検討スケジュールを示しました。

 TSG-SA議長Erik Guttman氏(Samsung R&D UK)、副議長 中野裕介氏(KDDI)は、5G要求条件の3つの柱である、高速大容量(enhanced Mobile Broadband; eMBB)、多数同時接続(massive Internet of Things; mIoTまたは、massive Machine Type Communications; mMTC)、超高信頼性・低遅延(Ultra- Reliability and Low Latency Communications; URLLC)のそれぞれのユースケースとそれらを実現するための新しいシステム構成について、丁寧な説明を進めました。

 TSG-CT議長Georg Mayer氏(Huawei)と副議長 巳之口淳氏(NTTドコモ)の講演では、5G実現のための重要な技術変革である、ネットワークのソフトウェア化と、サービスベースのアーキテクチャについて、それを構成する主要なイネーブラー毎の説明がありました。

 各TSGの紹介に続いて、5Gサービスの中で特に重要となるセキュリティの取組みについて、TSG-SA配下で3GPP全般のセキュリティ領域を検討するWG3議長のAnand R. Prasad氏(日本電気)は、5Gの新たな要求条件とアーキテクチャに対応するセキュリティの実現、今後の方向性を示しました。

 講演の最後に、5Gモバイル通信技術を大きな変革のベースとする業際連携の取組み推進のための枠組みの実例として、自動車業界と通信業界を連携する5G Automotive Association(5GAA)のCTO Maxime Flament氏が、3GPPのV2X("Vehicular to everything"乗り物とすべてのものを通信で結ぶコンセプト)仕様を交通システムに適用する実例と今後の連携の方向性について紹介しました。

 閉会にあたり、総務省 総合通信基盤局 電波部長の田原康生氏は、これまでの産学官連携による5G実証実験の成果とその標準化へフィードバックによる貢献、今後の周波数割当から、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたサービスの実現に言及し、5Gの発展への期待を込めて、本セッションを締めくくりました。

 当日は、会場の収容人員を上回る、約700名の方の聴講を頂き、大変盛況のうちに終了することができましたことを、ご講演頂きました方々、並びにご来場いただきました皆様に深く感謝致します。

 開催スケジュール

タイトル

5Gの実現・利活用に向けたコラボレーション ~国際標準化とパートナー連携の最前線~ 3GPPサミット ~5G標準化の最前線~【JH2-1】

開催日時

2018年10月17日(水)10:00~13:00

開催場所 幕張メッセ (千葉県美浜区中瀬2-1)
国際会議場 コンベンションホールA
主催

3GPP

共催

総務省
(3GPP日本パートナー)
一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)、一般社団法人 電波産業会(ARIB)

参加者数 約700名

講演資料

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プログラム 

時刻

講演内容

講演者

10:0010:10
開会挨拶 一般社団法人情報通信技術委員会
事務局長
稲田 修一
(3GPP PCG副議長)
10:1010:30
<基調講演>

ETSI (欧州電気通信標準化機構) CTO
Adrian Scrase 氏
10:3010:55
3GPP RANの動向

Nokia
Balazs Bertenyi 氏
 (3GPP TSG-RAN 議長)

NTTドコモ
永田 聡 氏
 (3GPP TSG-RAN 副議長)

10:5511:20
3GPP SAの動向

Samsung 
Erik Guttman 氏
(3GPP TSG-SA Chair)

KDDI
中野 裕介 氏
 (3GPP TSG-SA Vice Chair)

11:2011:35
休憩
11:3512:00
3GPP CTの動向

Huawei
Georg Mayer 氏
 (3GPP TSG-CT Chair)

NTT DOCOMO
巳之口 淳 氏
 (3GPP TSG-CT Vice Chair)

12:0012:25
3GPP 5G のセキュリティ NEC (3GPP SA WG3 Chair)
Anand Prasad 氏
12:2512:50
5GAA: 自動車業界との連携 5GAA (5G Automotive Association) CTO
Maxime Flament 氏
12:5013:00
閉会挨拶 総務省 総合通信基盤局 電波部長
田原 康生 氏

コンファレンスの様子

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Adrian Scrase Balazs Bertenyi 永田
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Erik Guttman  中野裕介 Georg Mayer 巳之口
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Anand Prasad Maxime Flament 田原康生
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セミナーの様子