自動車の遠隔更新技術の標準化動向と実用化課題に関する技術レポート(コネクテッド・カー専門委員会)

2017年12月14日

 TTCコネクテッド・カー専門委員会は、2017年12月11日会合において、技術レポート「自動車の遠隔更新技術の標準化動向と実用化課題」(TR-1068)を制定しました。

標準類番号

種別

概要

TR-1068

新規 第1版

自動車の遠隔更新技術の標準化動向と実用化課題

 汎用ネットワークにつながるという意味でのコネクテッド・カーとして、期待される多種ユースケースで共通的に必要となる機能の一つに、車載システムの遠隔ソフトウェア更新がある。本機能は、リプログラミングやフラッシングなどといった呼称の違い、また、処理対象の違いがみられるものの、様々な機関/組織で標準化の提案/協議が進められている。チップを含むセキュリティモジュール、ユースケース、セキュリティ要件、通信規格、API及びこれらの運用に基づく検討/公開/提案もその中の重要な一つである。それらを迅速に把握、理解し、日本の施策に取り込む提案の一助とするために、コネクテッド・カー専門委員会自動車遠隔更新検討作業部会で活動を行った。具体的には、遠隔ソフトウェア更新のうちOTA (Over The Air) 技術に係る種々の活動を公開情報から入手し、車載システム遠隔更新技術の観点から検討、分析し、レポートを作成した。

(1)自動車には走行制御(エンジン、ブレーキ、ステアリングなど)、ADAS制御(ACC、LKAなど)、マルチメディア(カーナビ、オーディオ、HUD、など)、ボディ制御(パワーウインドウ、灯火制御、など)の各種機能を実現するために、数十個以上のECUが搭載されている。各ECU上ではソフトウェアが動作しており、車載ネットワークを介した協調制御を行うことによって、これらの機能を実現している。自動車に搭載されている各ECUのソフトウェアは、車両出荷前に各ECUのメモリに記録されるが、車両出荷後に機能改善などのために更新される場合がある。この車両出荷後のソフトウェア更新のことをリプログラミングと呼んでいる。リプログラミング作業は、通常はディーラーや自動車整備工場において、自動車整備士が診断ツールを有線接続して実施する。しかし、近年はテスラなどが実用化したように、車両と車メーカのサーバを無線接続し、遠隔から(専門作業者を介することなく)ソフトウェア更新する技術も実用化しており、本技術を遠隔ソフトウェア更新(OTAリプログラミング)と呼んでいる。

(2)OTAリプログラミングは、狭義にはECUのソフトウェア(OS、アプリ)が更新対象となるが、ソフトウェアのコンフィグレーションデータ、カーナビの地図データ、なども含め、広義のOTAリプログラミングと呼ぶ場合もある。本報告ではリプログラミング対象は特に限定していない。

(3)本報告では上記車載システム向け遠隔ソフトウェア更新のユースケースに着目し、国内外の政府機関、学術団体、業界団体、NPO等での、活動状況に関して調査を行った。本作業部会メンバーが知見を有する当該団体の公開情報より、「OTAリプログラミング」をキーワードに関連するコンテンツをピックアップし、共通テンプレートにまとめる作業を行い、3~5章に作業結果を示した。その結果、各団体で進展している遠隔ソフトウェア更新実現に向けた活動状況を明らかにすることができた。

(4)なお、本報告書が参照した公開情報とは、特に断りがない限り2017年9月末日時点でのものである。

(5)関連団体の活動内容、策定文書には様々な内容があるため、調査結果を三つのレベルに分類し、それぞれ、3章に車両レベル、4章にシステムレベル(通信)、5章にシステムレベル(部品)としてまとめた。各団体の章では、組織概要とその発行物(公開状況)に関して紹介する。各発行物に関しては、概要として位置づけとその対象をまず明示し、遠隔ソフトウェア更新に関する記載内容、将来展望をまとめた。位置づけとしては、規定、勧告、ガイダンス、仕様、技術報告、提案等に分類し、更に法的拘束力の有無について記載を行った。その対象としては、通信技術(車内LAN、車外無線通信など)、更新手順、セキュリティ要件、ハードウェア、ユースケース(自動運転など)、ライフサイクル(運用、ダイアグなど)、更新対象(アプリケーション、マップデータなど)の分類で記載を行った。


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