TS-1022「NET119 共通電文仕様書」の制定(アクセシビリティ専門委員会)

2017年04月12日

  アクセシビリティ専門委員会では2017年3月24日付けで、TS-1022「NET119 共通電文仕様書」を制定しました。

 緊急通報である119番通報は、音声による通報を前提としており、音声による意思疎通が困難な聴覚・言語機能に障害を持つ方が緊急通報を行うことが困難でした。音声による意思疎通が困難な聴覚・言語障害者の内、文字情報による意思疎通が可能な方を対象として、FAXや電子メール等による音声によらない他の緊急通報手段が用意されていますが、近くにFAXがある場所でしか利用できない、救急隊を出動させるにあたって必要な通報場所の特定のために電子メールで繰り返しやりとりを行う必要がある等、迅速な通報が困難となる等の課題が存在しました。

 近年、スマートフォンの普及を背景に、会話に不自由な聴覚・言語機能障害者等が、スマートフォンの画面へのタッチ操作または文字入力により、119番通報ができるシステムが一部の消防本部で導入されています。しかしながら、現行のシステムは各消防本部が独自に導入を行っているため、消防本部間連携を実現する機能がなく、管轄外からの通報は電話等により通報内容を消防本部間で伝達する必要があるなどの課題が残されています。

 平成28年4月には、国連の「障害者の権利に関する条約」の締結を受けて、平成25年6月に制定された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行されたところです。このような流れを受け、総務省消防庁にて「119番通報の多様化に関する検討会」が開催され、本検討会において、聴覚・言語機能障害者が、いつでも全国どこからでもスマートフォン等による音声によらない119番緊急通報を可能とするシステム導入の必要性が答申されました。

 上記検討の一環として、従来のNET119の課題であった消防本部間の連携を実現するために、TTCにおいて標準化の仕様検討を行い「NET119共通電文仕様書」の制定を行いました。本仕様では、以下の機能を標準化することによって、従来の課題を解決しています。

  1. 複数のNET119事業者が消防本部毎に存在することを念頭におき、NET119ゲートウェイを設け、NET119ゲートウェイ間で緊急通報を自動転送することによって、消防本部間の連携を実現
  2. SIPをベースとしたシグナリングプロトコルと、JSONをベースにしたブラウザとの相性がよく軽量なデータフォーマット(電文仕様)を標準として規定することによって、事業者間の相互接続を可能とした
  3. GPSによる位置情報通知フォーマットの統一
  4. TLS (Transport Layer Security)による通報内容の保護手段を規定

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