AI活用専門委員会の設立および委員募集について

2018年3月14日

 一般社団法人 情報通信技術委員会(TTC)は、2018年3月5日に開催された第121回企画戦略委員会(委員長:瀬社家 光、副委員長:滝嶋 康弘)において「AI活用専門委員会」の設立を決定しました。これに伴い、本専門委員会の参加メンバーを募集します。

icon_pdf.gifAI活用専門委員会の設立および委員募集について

(参考)「次世代サービス基盤高度化に向けたAI活用に関する検討の推進について(「AI活用専門委員会」の設立)」(2018年3月12日)

1.目的

2.背景

(1)データ活用による価値創造とAI活用のトレンド

 IoTの進展により、実世界の膨大な事象データの収集が可能となり、これを用い価値創造を効率的に行う手段として、さまざまな業種・分野においてAI活用が進展している。

(2)情報通信サービス分野におけるデータ活用、AI活用の可能性および期待

 将来の情報通信サービス(次世代サービス)において、その基盤の柔軟性・最適化を高めるためAIを活用することが考えられる。

(例)

(3)AIを巡るさまざまな活動の活発化

 情報通信サービス基盤の高度化にAIを活用する検討は、世界的にも始まっている。2017年11月にITU-Tが、テレコムへの機械学習応用を検討するFG-ML5G(Focus Group on Machine Learning for Future Networks including 5G:5Gを含む将来網のための機械学習)を設置しているのを始め、2017年2月にETSIは、AIのテレコム運用管理への適用をめざすISG ENI(Industry Specification Group 'Experiential Network Intelligence')を設置。通信キャリアの新ビジネスモデルなどを検討しているTM Forumは、顧客エクスペリエンス管理、サービス管理、網管理へのAI応用などを実証デモで検討するなど活発な活動を行っている。マイクロソフト・リサーチは、ネットワーク計測データをオープンデータで公開し、データ解析により障害予測の研究を推進している。

(4)情報通信サービス分野を取り巻く動向と協調的活動の必要性

 オープンイノベーションやデジタルトランスフォーメーションによる新しいビジネスや情報通信サービスの展開に伴い、標準化活動の範囲も従来の標準文書を作成するだけでなく、これらを含むオープンイノベーションを技術面・ビジネス面から支えるあらゆる活動に広がっている。同時に、その成果物についても、得られるあらゆる知見、発見、情報を包含する方向に、関わるプレーヤーについても、従来の技術面だけでなく、技術とビジネスの両面から価値創造・事業戦略を企画する方へと広がっている。

 このような「標準化」「標準化活動」の新たな役割を踏まえ、データ活用、AI活用においては、①データ収集、②集積データの分析によるモデル構築(AIアルゴリズムによる知識化)、③モデルを活用した価値創造、のプロセスの内、②のモデル構築はクローズ領域となることが多い半面、その前後である、

①データ収集プロセス(規模の経済性の発揮、データ品質の確保の観点)

③価値創造プロセス(評価・改善・市場展開等の観点)

においては、関わるプレーヤーによる協調的な活動が必要と考えられる。

3.活動概要

(1) AI活用専門委員会に参加する会員などを募集し、活動内容が具体化し、メンバー(概ね5社以上)およびリーダが決まった検討テーマから順次SWGを設置し検討を開始する予定。本専門委員会における活動内容の検討にあたり、AI活用により次世代サービス基盤の高度化が見込める分野として、現時点で考えている分野は次のとおり。

AI活用分野(案)

AI活用の目的

取組概要

①エッジ型アプリケーション高度化

サービス基盤機能の高度化

・オープンイノベーションの活用を含むさまざまなサービスの出現に対応するための、情報通信基盤機能の課題、AI活用の可能性を検討する。

・オープンイノベーションを含め組織連携による次世代サービス創出を支援するとともに、ユースケースを発掘する。

②サービスデリバリー・運用自動化

サービス提供の高度化と基盤リソース最適化

・次世代サービスの利用者および提供者に対する、サービス提供の柔軟化、迅速化

・サービスの安定提供と基盤資源の最適化を行うための課題、AI活用の可能性を検討する。

③設備障害予測・保守効率化

基盤リソースの保守保全業務の高度化

・基盤を構成する要素(ハード・ソフト)の障害復旧および基盤設備の安定的提供に関する課題、AI活用の可能性を検討する。

・設備障害の稀有データなどのAI活用への可能性を検討する。

④サイバーセキュリティ対策

セキュリティ業務の高度化

・サイバーセキュリティ業務における課題、AI活用・各種自動化の可能性、AI技術利用に対する課題、AIを利用した攻撃への対策を検討する。

・攻撃の対策や安全なAI技術利用のあり方などを事業者間連携にておこなう。

(2)AI活用専門委員会の当面のWork Itemとしては、トレンド調査、具体的課題の調査・設定に注力することし、その結果をベースにその後のWork Item、成果物、関連する他の専門委員会との連携を検討する。Work Itemについては、“By AI”(AI活用により情報通信サービス提供の高度化が見込める検討課題)と“For AI”(AI活用をより効率的・効果的に行うための検討課題)の両面から検討を行う。

(3)「1.(4) 情報通信サービス分野を取り巻く動向と協調的活動の必要性」で記載した今後の標準化活動の在り方を踏まえ、成果物については、標準とは限らず参加会員の事業に寄与するものとし、あらゆる知見、発見、情報を包含するものを考慮する。

4.委員募集

 会員内外を問わず、当該テーマに関するAI活用事業・研究開発に携わる人材の他、知見を有する大学関係者などの参加をお願いいたします。

 なお、本専門委員会(SWG設置時はSWGを含め)の参加者は、専門委員会およびSWGの活動(ユースケースやベストプラクティスなどの調査、分析、まとめ作業など)にご貢献頂く予定です。

現時点で想定するAI活用分野・領域・課題および関連する人材イメージ

AI活用分野(案)

AI活用が想定される領域・課題(例)

関連する人材イメージ

①エッジ型アプリケーション高度化

(1)AI活用が想定される領域・課題(例)

・データ一次処理:認識、雑音除去、クレンジング、メタデータ/タグ付け

・データ送受信制御:優先度選別、フィルタリング、低優先/大容量データ分割送信、符号化最適化

・アプリケーション負荷/機能分散:エッジにおける迅速なAI制御、認証、セキュリティ検査、データ検査/特異データ検知

(2)想定するアプリケーション(例)

・超リアルタイムを要するサービス:ダイナミックマップ更新

・必要帯域が大きいサービス:高精細映像サービス

・緊急性が高いサービス:街の見守り、安心安全、防災

・複雑な画像・行動認識:顔認識、害獣・鳥獣、不審者

・エッジ型アプリケーション(社会インフラ系、超リアルタイム、高精細映像など)について、AIに関わる研究開発、サービス開発、事業企画に携わる方

 

・サービス基盤の提供者、基盤の構成要素の提供者、AI活用が想定されるシーンに関わる企業

②サービスデリバリー・運用自動化

(1)AI活用が想定される領域・課題(例)

・柔軟かつ動的なサービス提供と資源管理:オーケストレーション、インテントベースのNW・資源制御

・到達性の最適化:コンテンツ指向ルーティング制御

・品質確保の最適化:QoS/QoEベースの動的制御

・多種多様なユーザ要件への出現に対するAI活用の考え方

(2)想定シーン(例)

・不確実性が大きく複雑なNW制御が予想されるサービス:自動走行、OTA

・変動が大きいサービス:分散型AI、DC間スループット最適化

・ボトルネックが予想されるNW資源最適化:MFH、WiFIデータ干渉制御

・異常時のBCP対応、影響領域の分離:社会インフラ/産業系システムの疎通確保、ソフトウェア更新を含む障害時における切り戻しと緊急資源割当

・多様なユーザ要件への柔軟な対応:ユーザカスタマイズ/オンデマンドデリバリー、スライシング、マイクロサービス、OTT等へのリソース提供管理

・サービスデリバリー、ネットワーク運用の高度化やAI活用に関する研究開発、実証実験、将来のネットワーク運用の企画に携わる方

 

・サービス基盤の提供者、基盤の構成要素の提供者、AI活用が想定されるシーンに関わる企業

③設備障害予測・保守効率化

(1) AI活用が想定される領域・課題(例)

・障害原因(ハードウェア、ソフトウェア)特定

・復旧の迅速化、作業効率化

・設備状況・障害傾向分析、障害予測

(2)想定シーン(例)

・迅速な復旧が求められる高信頼性サービス:通信設備、社会インフラ、重要な産業インフラ(プラント、工場等)

・大量かつ多様なデータの分析に基づく調査範囲の限定化、被疑要因の優先度付け

・予備設備の最適化、復旧の優先度付け

・トレンド予測に基づく基盤設備プラン、保全の最適化:設備増強プラン、点検や交換などの保全プラン

・トレンド予測に基づく基盤設備のエネルギー効率最適化

・ネットワーク保守の高度化やAI活用に関する研究開発、実証実験、将来のネットワーク設備保守の企画に携わる方

 

・サービス基盤の提供者、基盤を構成する設備の提供者、AI活用が想定されるシーンに関わる企業

④サイバーセキュリティ対策

・事業者連携のサイバーセキュリティ対策におけるAI技術活用方法

・AIの学習データを利用するためのAPI

・提供される学習データの信頼性確保(悪意に基づく不正学習防止)、プライバシー保護等

・AIエンジンに対する攻撃の検出・予測と耐性方法

・AIエンジンの信頼性の評価、安全性評価、およびガイドラインの策定

・AIを利用した攻撃の検出・予測と対策方法の検討

・サイバーセキュリティ対策に関する研究開発、実証実験、将来のセキュリティ業務の企画に携わる方

 

・AI技術を持つセキュリティベンダー

 

・AIに対するセキュリティの研究者

5.委員登録方法

(1)TTC会員の皆様につきましては、TTC窓口ご担当様よりTTC委員登録変更様式にて登録申請をお願いいたします。様式はTTC会員の皆様へ (要ログイン) よりダウンロードできます。

(委員会名・コード)AI活用専門委員会 (WG7100) 委員会コード:7100

(2)また、現在、TTC会員以外の方につきましてはお問合せ先へ参加のご連絡をいただけるようお願いいたします。TTC会員入会の詳細につきましては、入会のご案内を参照ください。

詳しくは、TTC委員募集ページ「専門委員会及び専門委員会配下のSWGへの参加」をご覧ください。

6.今後の予定

第1回会合は、2018年4月16日(月) 15:30~17:00 を予定しております。

7.本件お問合せ先

TTC事務局 企画戦略担当:斧原 晃一
電話:03-3432-1551(代)
電子メール:onohara@ttc.or.jp

(参考)AI活用専門委員会を含むTTC専門委員会構成

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